中小企業振興表彰
平成19年度 中小企業振興表彰先
一般部門の表彰先
株式会社秋田ルミナ
代表者 | 佐々木 訓弘(48歳) |
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住所 | 大仙市大曲西根字元木108 |
事業内容 | 自動車用精密部品(ディーゼルエンジンの排ガス清浄器、オイルフィルタ等)および自動点滅器の製造 |
創業 | 昭和46年10月 |
資本金 | 50,000千円 |
従業員数 | 120人 |
年商 | 1,305百万円(19年3月期) |
表彰事由等
- 本先は、創業者(前社長)が東京都品川区に㈱ルミナを設立し、自動点滅器およびバイメタルリレーの生産を開始(昭和41年5月)。その後、郷里の大曲に㈱秋田ルミナを創業(昭和46年10月)し、製造業務を移管。生産品目の拡大と工場・設備の新増設を重ね、現在に至っている。(旧大曲市誘致企業の第1号)
- 自動車用精密部品製造を主力とし、特にディーゼルエンジン向けのオイルフィルタや温度センサーによる排ガス抑制・清浄関連機器を得意としている。これまで、いすゞ、日産、三菱などの大型トラック向けに安定して受注を確保していた。
- 近年、環境問題の高まりを背景に、ディーゼルエンジンの技術改良が進み、欧州では乗用車の5割がディーゼル車となっている。今後、国内においても、燃費のよさに加えて、排ガス抑制技術の進展に伴ってディーゼル車の普及拡大が見込まれる。本先はこの動きを先取りして、一般乗用車向けのエンジン部品開発に取り組んでいたところ、平成19年12月にホンダやスバルからの受注確保に至った。
- 創業時から培ってきたバイメタルのノウハウを活用して、「ディーゼル乗用車」という大市場に逸早く注目し参入した先見的な取り組みを高く評価し、また、県内の有力な自動車関連企業として一層の成長と地域貢献が期待されることから、本先を表彰する。
株式会社キカワ
代表者 | 吉川 邦宏(46歳) |
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住所 | 大仙市長野字新山61番地1 |
事業内容 | クリーニング業(クリーニングFC事業、コインランドリー他) |
創業 | 昭和35年2月(平成5年1月法人成り) |
資本金 | 17,500千円 |
従業員数 | 122人 |
年商 | 515百万円(19年8月期) |
表彰事由等
- 本先は平成5年に法人成りし、同時に県外資本の「ふらんせフランチャイズ」に加盟。秋田県南地域での権利を得て「ピュアふらんせ」の営業を開始。平成12年以降は自社によるフランチャイズチェーン「ぴゅあ」を立ち上げ、秋田市と東京都大田区を中心に展開している。直営店の配置状況は、県南に10店舗1工場(ピュアふらんせ)、秋田市に5店舗1工場と東京に7店舗1工場(ぴゅあ)、合計22店舗3工場、ほかに委託店を数店舗を有する県内大手企業に成長している。
- クリーニング業界は「クレーム業界」と言われるが、そのほとんどは接客レベルで解決できることに着目、オリジナルの接遇応対マニュアル「ぴゅあシステム」による社員教育の徹底が業績向上につながった。また、納期・市場価格の動向、顧客ニーズの把握、地域特性に合せた出店方法、作業工程の効率化などの分析と改善により、競争激化の業界の中でも売上を伸ばしている。
- 上記の経営革新や店舗開設(設備貸与・リースを含む)に当っては、(財)あきた企業活性化センターの支援を仰ぎ、また、クリーニング技術(オゾンとマイクロバブルによる洗浄装置)では、秋田大学との共同研究開発で試作機完成目前にある。
- 堅実かつ積極的な経営で県外進出や株式公開をめざす一方、地元中仙商工会内に産学官研究会を立ち上げるなど、地域密着姿勢と地域貢献も高く評価できることから、本先を表彰する。
新起事業激励賞の表彰先
サイチ工業株式会社
代表者 | 松下 一幸(54歳) |
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住所 | 横手市大雄字上田村東193番地 |
事業内容 | 電子部品製造装置の設計・製造・販売(メッキ、シリコンウエハー等の研磨・表面処理装置) |
創業 | 平成9年8月(平成16年4月株式会社に) |
資本金 | 10,000千円 |
従業員数 | 12人 |
年商 | 170百万円(19年9月期) |
表彰事由等
- 本先は平成9年に代表者が独立創業(16年4月に株式会社に転換)。現在、電子部品製造ラインのうち表面処理(メッキおよびガラス・シリコンウェハー等の研磨)を行う装置の開発・製造を主に行っている。
- 平成17年度に、従来の下請体質からの脱却をめざして「電界砥粒平面研磨装置」の開発に着手。18年度から、その基本技術特許を有する県工業技術センターとの共同研究を開始。同時に、(財)あきた企業活性化センターの指導により「中小企業新規事業活動促進法」の経営革新計画の承認を受け、県の「産学官技術開発促進事業」にも採択された。18年末には、この補助金等により試作0号機を完成させた。
- さらに、19年8月には、経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業」にも採択され、その委託費(国費130百万円)を使って、「次世代情報家電向け研磨システムの開発」に取り組み、20年2月に試作1号機を完成させた。現在、本先と秋田県各々50%で、特許出願中。
- 県の技術や企業支援を全面的に活用して開発した本装置は、従来の4倍の研磨処理能力を有し、かつ、高品質の薄いガラス基盤を提供できることから、ソニーなど大手光学機器・携帯電話メーカー等も注目している。本先の技術開発にかける熱意と成果および将来性を高く評価し、新起事業激励賞として表彰する。