中小企業振興表彰
平成18年度 中小企業振興表彰先
一般部門の表彰先
株式会社青山精工
代表者 | 代表取締役 青山 健哉 |
---|---|
住所 | 鹿角市十和田末広字紀ノ国42 |
事業内容 | 精密機械加工、治工具、省力機設計製作、難削材加工(セラミックスなど) |
設立 | 平成2年6月(昭和44年創業) |
表彰事由等
本先は金属部品加工(電子部品製造機、精密機械向け)、省力化機械製造を主力としているが、平成13年に今後需要増加が見込める難削材加工分野に進出するべくセラミック部門を設立。現在、同部門は売上高の20%を占める。金属加工業界では、海外との競争が厳しく、難削材へ取り組む企業が増加しているが、本先の技術は業界内で高く評価されており、全国から受注を得ている。
平成18年には航空・光学・自動車・半導体・医療機器など幅広い分野で需要が期待できる硬脆性材(アルミナ、ジルコニア、シリコン、サファイア等)の加工分野に進出するため、東北では初めて超音波加工機を導入し、多方面から注目されている。
本先は健全な財務状況を維持しつつ成長を重ねており、その上、新分野への進出を果たしている。難削材加工分野へ早期に進出して他の企業をリードした先見の明と、将来、航空や自動車分野への展開も期待できるまでに技術を進化・蓄積した努力を高く評価し、表彰する。
(注)難削材:熱処理等により硬化した材料や、耐熱耐食合金などの切削しにくい材料をいう。例 ステンレス、純チタン、アルミニウム合金、セラミックス。
有限会社藤原養鶏場
代表者 | 代表取締役 藤原 要 |
---|---|
住所 | 仙北市角館町山谷川崎高屋509 |
事業内容 | 採卵用系業 |
設立 | 昭和56年(昭和39年創業) |
表彰事由等
本先は代表者の父である現会長が旧田沢湖町にて2,000羽で養鶏を始め、その後旧角館町に移転して規模拡大、法人成りして現在に至っている。平成14年に現在の農場(養鶏場)が完成し、飼養羽数35万羽まで拡大。養鶏農家1戸当たり飼養羽数は本県が3万6千羽あまり、全国平均でも3万7千羽あまりであり、本先の規模は際立っている。(県内業界第1位)
規模拡大と平行し、法人化して計画的経営に取り組むほか、品質管理マニュアルを整備するなどして、独自ブランド「秋田美人」を確立。平成10年には国際標準食品衛生管理手法HACCPを導入したうえ、ボツリヌス菌検査を実施するなど、食の安全への取り組みを強化している。また、周囲の稲作農家から引き取った籾殻と鶏糞を混ぜて発酵させた発酵鶏糞を1,000戸以上の野菜農家に提供し、循環型農業へも取り組んでいる。
平成18年には、経営の計画性と、食の安全や循環型農業に対する取り組みが評価され、第55回全国農業コンクールにおいてグランプリを受賞した。なお、同グランプリは4年前に創設されたが、養鶏部門が受賞するのは初めてである。
あまり養鶏の盛んでない本県にありながら、独自ブランドを確立し、食の安全を追及しつつ50万羽を目指して規模拡大を目指す姿勢を高く評価し、表彰する。
新起事業激励賞の表彰先
株式会社シマックス
代表者 | 代表取締役 島村 和義 |
---|---|
住所 | 大仙市富士見町11-5 |
事業内容 | 工業用温度・湿度制御機器の開発・製造・販売 |
設立 | 平成11年 |
表彰事由等
本先は代表者の兄が経営する株式会社シマデン(練馬区)の秋田営業所を前身とし、当時専務であった現代表が、新たな商品開発を目指して秋田営業所を買い取り、設立した。シマデンからの受託生産で売上を確保しつつ、自社製品開発に取り組み、デジタル温湿度調節計を開発した。営業および輸出業務の実質責任者は代表者の長男で専務の島村和彦氏である。
温湿度調節計は空調設備、環境試験装置、焼却炉など、温度や湿度を管理する必要のある様々な装置に接続して、温湿度を管理・制御するものである。あらかじめ設定された温度・湿度に達するとその温度・湿度を保って装置を運転制御する機械である。
本先は当初、国内市場で自社製品販売を目指したが、先発各社の壁は厚く思うような売上を上げることができず、そのため、東南アジアを中心とした海外に販路を求めた。輸出業務についてはジェトロ秋田の支援も受けて順調に拡大、現在は台湾、韓国、中国、マレーシア、タイの5カ国と取引を行っており、自社開発の新製品「MAC3」は海外で好評を得ている。
本先はジェトロ輸出有望案件発掘支援事業認定業者となっており、ジェトロとしても支援成功事例として全国的に大きく宣伝している。自社製品を海外販売している企業は県内では珍しく、秋田発の世界展開を狙う取り組みを高く評価し、新起事業激励賞として表彰する。